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オフィス設計者が紹介、テレワーク用の自宅家具選びに役立つ6つのポイント

在宅勤務の継続で自宅の作業環境を改善したい方向けに注目すべき6つのポイントを紹介する。

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コロナ禍での在宅勤務で初めてテレワークを始めた方は少なくないのではないでしょうか。かくいう私も、その1人です。

筆者は、インテリアデザイン企業や設計事務所で住宅設計やリノベーションを手掛け、現在はオフィスデザインに励んでいます。この初めてとなる在宅勤務の機会で、オフィスを構える意義や、仕事をする環境、そして働き方について、改めて考えさせられました。今回は、そんな筆者の経験から住宅という環境を働く場として活用するために工夫できる方法をご紹介したいと思います。

住宅とオフィスはどう違う?

オフィスという環境は働きやすさを重視してつくられています。そのため、住宅を働きやすい環境にするために必要なものは、オフィスと比較してみると見えてくるでしょう。一般的に、住宅になくてオフィスにあるものは主に次の5つです。

1. 作業に適したデスク環境がある
2. 社内メンバーと打ち合わせや共同作業、また来客対応も含めた複数人で利用可能な部屋がある
3. 仕事に必要な機材や備品、また専門の資料が揃う
4. 情報管理などのセキュリティ機能がある
5. 法人としての顔、エントランスがある

近年のテレワーク化の動きをみると、2については、現在話し合いの場がオンラインに移行している流れからWEB会議システムで代用することができます。3は外部アクセス可能な共有サーバーを利用、4は社員に適切な情報管理の規則見直しや研修を実施し、5は働きやすさに直接的なつながりがないと考えます。そうすると、在宅勤務における住宅の環境もオフィスとほとんど遜色ない仕事環境だと理解できます。「あれ?住宅とオフィス、そんなに違わないじゃん」というのが、私の率直な感想でした。

テレワーク時代の住宅には個人の作業に適した環境が必要

そうしたときに住宅に最も不足しているものは作業に適したデスクまわりの環境でしょう。

もちろん書斎がある方は別ですが、基本的に作業に適したデスク環境の有無はテレワークの生産性に大きな違いを生みます。もともとテレワークはランダムで話しかけられて作業中のタスクを中断せざるを得ないオフィスに比べ自分の時間を確保しやすく、個人作業の生産性を上げやすいとされています。一般的に「テレワーク導入」と聞くと離れた場所でも同僚と協働できる環境を構築することに意識が行きますが、最も基本的な個々人の働き方についての視点は意外と見落としがちです。ここに在宅勤務におけるワーカーの生産性向上の鍵があると思います。

これからテレワーク(特に在宅勤務)を継続していく方を対象に、住宅の環境を個人作業が行いやすい環境にするために実施しやすい6つのポイントを並べてみました。

①集中したいタスクに必要なデスク・チェア

個人作業の時間を長く取れる在宅勤務では、自分のタスクに集中しやすいデスクを揃えることがまず必須となるでしょう。少しでも疲れにくく、身体への負担も少ない姿勢のポイントや人間工学の基礎情報を押さえておくと良いですが、様々なウェブサイトで紹介されていますのでここでは割愛します。

「手ごろな価格で」「オフィス感がなく家の雰囲気に合う」「デスクとチェアに座りノートPCを使う仕事の基本姿勢を取りたい」という人には、LOWYAのパソコンデスクがおすすめです。調整しやすさでいえば昇降機能付きのものが理想ですが、作業面が確保できればまず十分でしょう。

LOWYAのパソコンデスク

スペースが許せば、L型デスクもおすすめです。小さな書斎感(自分の”城”)をつくり、居心地の良いワークプレイスを構成できます。

LOWYAのL字デスク

②身体に負担をかけないためにチェアやPCスタンドにこだわる

少し高額だけど人間工学に基づいたチェアが欲しいという方には、BoConceptのAdelaideチェアをおすすめします。人間工学に基づいた曲面で、腰をしっかり支えてくれるため、疲れにくい椅子です。「自宅でオフィスチェアのようなデザインはちょっと…だけど座りやすいものが良い」と思う方は必見。私もデスクチェアとして使っています。

BoConceptのAdelaideチェア

むしろしっかりしたオフィスチェアで手頃なものをお探しの方は、こちらのDuora(デュオラ)チェアがオススメです。オフィスメーカーの代表のコクヨ社の製品で、高機能に対しコストバランスが良い商品です。

コクヨのチェア『Duora(デュオラ)

オフィスチェアで良いけれど、ある程度住宅もも馴染みそうな中間的なデザインのチェアには、Herman Millerのセイルチェアも良いでしょう。このチェアも人間工学に基づいた曲面設計で座り心地の良い一品です。

Herman Miller『セイルチェア

また、チェア以外の身体への負担を減らす方法として、ノートPCスタンドも挙げられます。ノートPC単独での利用は、目線が下に落ちることで肩が内側に入りすぎてしまい、肩こりや腰痛などの健康リスクを伴います。その対策として、下記のようなノートPCスタンドと、別途で外付けキーボードをつなげて使うことで、適正な姿勢を維持できます。安価なものでも姿勢を直す目的で十分機能しますので、ノートPCの方にぜひおすすめします。

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この記事を書いた人:Kentaro Shimamoto

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