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“日本は20四半期連続2ケタ成長” – 戦略的な拠点配置で重役を担うアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京

ICCサミット FUKUOKA 2019のセッションと連動したオフィス訪問シリーズ。第3回は、2018年1月に完成した、住友不動産麻布十番ビルの2フロアを占める「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を訪問。前編ではアクセンチュアが行っている事業についてレポートします。

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ICCサミット FUKUOKA 2019のセッション「我が社のEX(従業員体験)-オフィスで生み出すコラボレーション体験とは?」で紹介する企業のオフィスを訪問するシリーズ、第3回は、2018年1月に完成した、住友不動産麻布十番ビルの2フロアを占める「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を訪ねました。前編ではアクセンチュアが行っている事業についてレポートします。ぜひご覧ください。

– ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

アクセンチュアは、日本事務所を設立してから50年以上にわたって事業を展開してる外資の総合コンサルティングファーム。コンサルティングファームというと、立派なオフィスにデスクが並び、スタッフはソリューションを携えて日中はクライアント先に出向き、夜になると戻ってくるイメージがある。

しかしアクセンチュアは近年、デジタルを中心に据えたクライアントの変革支援に重点をおいたサービスの強化を図っており、データサイエンティスト、デザイナー、クリエーターやセキュリティエンジニア等、従来までのコンサルタントとは違うさまざまなスキルやバックグラウンドを持つメンバーが数多く在籍する。コンサルティング企業の業務はデスクワーク、そんなイメージを覆すオフィス「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」が、2018年1月麻布十番に誕生した。

エントランスから圧倒される、オフィスとは異質の空間。煌めくネオンサインは一見、クラブかバーに来たかのようだ。アクセンチュアが現在、どんな事業を行い、どのような必要があってこのオフィス作ったのか、何を指向しているのかを聞かねばその理由はわからない。アクセンチュア マーケティング・コミュニケーション部チーフ・マーケティング・イノベーターの加治慶光さんと、広報室長の神田健太郎さんにお話をうかがった。

6つのサービスを5つの産業に展開

はじめにアクセンチュアが現在、どのような組織体系で事業を展開しているのか、神田さんにご紹介いただいた。

「サービスは大きく6つに分かれます。

経営・事業戦略を支援する『ストラテジー』、特定の業界や業務戦略を支援する『コンサルティング』、アナリティクス、デジタルマーケティング、IoTを軸にお客様のデジタル戦略を支援する『デジタル』、ITシステムやインフラの開発・構築や保守・運用サービス提供する『テクノロジー』、お客様の経理・人事・調達などの業務をお預かりし、弊社の国内外のセンターからサービスとして提出する『オペレーション』。

そしてサイバーセキュリティの脅威からお客様を守る包括的なサービスを提供する『セキュリティ』。 デジタルとセキュリティは盾と矛のような存在で、どんなに優れたデジタルサービスであっても、セキュリティが担保されていないサービスが広がることはないでしょう」

その6つのサービスを、下記5つの産業に対して提供している。対象となるクライアントは幅広く、あらゆる業界の民間企業から官公庁からまで、すべての領域に及ぶ。

アクセンチュアの強みは、「総合コンサルティングファーム」として、戦略はもちろんのこと、開発から運用、効果検証まで一気通貫で成功ストーリーへの道筋をクライアントと共に描き、実行すること。神田さんが説明する。

「我々はそれを『エンド・ツー・エンド』と呼んでいます。事業戦略や経営戦略といった上流のプランニングから、それを業務に落とし込んだ戦略、戦略を実現できるようなITやシステムの設計、我々が作り上げたシステムの保守・運用まで担い、さらに全てのプロセスにデジタルとセキュリティの要素は欠かせません。

そんな『エンドツーエンド』ができる会社とは、世界広しといえども我々アクセンチュアの強みであると自負しています。それぞれの領域でコンペティター(競合企業)がいるのですが、領域は限定的です。

急成長中の日本は20四半期連続2ケタ成長

アクセンチュアは、この数年で目覚ましい成長を続けている。グローバルでの社員数はまもなく46万人に達し、売上高も4兆円弱。2018年1月には2001年の上場時の10倍の株価を記録した。

とくに日本の成長は目を見張るものがある。日本の成長の理由を加治さんが説明する。

「日本の成長は倍増しています。なぜかというと、日本の製造業が今、非常に覚醒していることにあると思います。ICCサミットも盛り上がっていますが、スタートアップに大企業が注目していること、そして世界と同じか、より早いスピードでデジタル化がここ数年で一気に進んでいることが挙げられるでしょう。

日本は今、人口減少が深刻な問題としてあります。国内をだけを向いていてもいけないということや、中国の成長など、自分の代で会社を変えないといけないと考える経営者がたくさん出てきました。

昔は自分の社長在職期間中は何も起こらないでほしいという経営者も多かったのですが、今、何とかしないと子どもの代に引き継げないという危機感をもっています。そこでグローバルでデジタル化ということになり、ご相談をいただいているのではと思います」

ビッグデータという言葉が出てきたのが2013年ごろ。それ以降のデジタル化の波とその変化は凄まじく、経営者の認識が変わっていった。増える引き合いに従い、アクセンチュア ジャパンもこの3年で社員数が倍増して約11,000人、直近の数年間では1,000人以上の採用を継続しているという。

拠点を戦略的に配置する

アクセンチュアのミッションは「イノベーションによって、世界の人々の仕事と生活を良くする」ということ。また「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」という考えに基づき、グローバル全体でイノベーションを生むための土台となる機能を6要素に分け、各拠点に意図的に配置している。従来でもそれぞれの機能はあったものの、横串でひとつにまとめることを意識して、再定義したそうだ。

6つの要素の詳細は以下のスライドの通りだが、次の記事で紹介するアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京は、「リサーチ」と「デリバリーセンター」以外の機能を集約したものになっている。最初に紹介した6つのサービスは、こういったアーキテクチャが土台となって革新性にあふれるサービスをクライアントに提供できるものだという。

アクセンチュアの国内拠点は全国各地にある。2018年2月には東京と関西オフィスの2大拠点を中心に据え、それらを取り囲むようにコーポレート機能拠点、リサーチ拠点、開発拠点などを全国に配置し、さらにそれらの拠点は、同様の機能を持つ国外の拠点とも密につながっている。

たとえば開発の拠点は、以前まではそれぞれのクライアントの近くに拠点を構えていたものを、東京ソリューションセンターにまとめた。そうすることで内部の意思疎通がよくなって効率化が進み、結果品質の向上につながっているという。

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チームで物理的に顔を合わせるのは年に1度

社員の働き方とは、徹底的なアウトプット重視型。加治さんは「マイクロソフトが提供するツールを世界で一番積極的に使っているのはアクセンチュアではないか」と言う。

「オフィスに席はあるのですが、あまりそこにいません。我々のチームは50人いますが、月に3回ぐらいしか同じチームのメンバーには会わないですね。2週間に1回に全体会議をするのですが、1箇所に数人ずつだったり、家からログインしたり。物理的にみんなで顔を合わせるのは年に1度くらいでしょうか」

上司は18時以降の会議を設定してはいけないなどのルールもある。同僚の誰がどこにいるかわからないことが前提でMicrosoft Teamsを活用し、携帯電話と、PCがあれば、仕事することには困らないそうだ。このような多様な働き方を許容する仕組みや姿勢は社内のみならず社外からも高く評価されている。

アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京には、クライアントやパートナー企業、外部のスタッフが常駐できる「共創エリア」という広大な執務スペースが広がっている。

受付、カフェカウンター

方法論をアジャイル化する

時代のニーズに合わせた事業の展開、戦略的なオフィスの配置、働き方の改革とともに、アクセンチュアはコンサルティングの方法論も時流に合わせて見直しを行うことで成長を達成している。神田さんが説明する。

「SIが象徴的なのですが、現在はアジャイル開発が盛んになっています。従来のウォーターフォール型では市場のスピード感に合わないプロジェクトも数多い。アジャイルでイテレーション(反復)を高めていって、精巧度を高めていくことが求められるケースが増えてきています。

こうしたファシリティなどハードウェアだけではなく、ソフトウェアである我々の方法論もアジャイル型で適応させて進化を続けていいます」

それを実現するための拠点が「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」である。「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」の概念を具現化したというオフィスを後編ではご紹介する。

(続)

※本記事は ICCサミット FUKUOKA 2019 公式ページより転載しております。

ICCパートナーズ編集チーム

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