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持たずに借りる!オフィス家具のサブスク・レンタルサービス

可変性や柔軟性が求められる、VUCA時代。そんな現代のニーズに沿った、低コストかつ短期利用が可能なサブスクリプションタイプのオフィス家具提供サービスを紹介する。

VUCA時代、オフィス家具は「借りる」が賢い選択

この数年で、経済やビジネス、個人の働き方は大きく変わった。先行き不透明で、将来を予測できない「VUCA時代」の到来を実感している人も多いのではないだろうか。

VUCA時代のオフィスづくりには、可変性や柔軟性が求められる。コストやデザイン性に優れた家具を活用するのも一案だが、今後のオフィスづくりにはサステナブルな視点を取り入れることも重要だ。サブスクリプションサービス(サブスク)やレンタルを利用すれば、初期費用を抑えられ、不要になったときには返却できるため、変化に合わせて柔軟に対応しやすい。

株式会社矢野経済研究所のプレスリリースでは、国内のサブスク市場は前年度比9.5%増の1兆524億7,500万円になると予測している。レンタルも含めるとその選択肢は実に幅広く、オフィスづくりにおいても活用しない手はないだろう。

「サブスク」と「レンタル」の違いとは

「サブスク」は、定期的に料金を支払って商品やサービスを利用するビジネスモデルを指す言葉だ。一般的には月額もしくは年額料金を採用するケースが多く、ユーザーは好きなタイミングで解約でき、提供側はユーザーのニーズに合わせてサービス内容を更新する。一方の「レンタル」は、あらかじめ定めた比較的短い期間中、特定の商品を代金と引き換えに借し出す仕組みを指す。

例えばワークチェアを1年間利用する場合、レンタルでは1年間の契約を結び、契約した期間が終わるまでに商品を返却しなければならない。一方のサブスクでは、利用期間の延長や追加費用を払っての買い取りが可能なケースが多い。また、サービス内容によっては途中で別のチェアに交換できるなど、受けられるサービスの自由度が高いのも特徴だ。

オフィス家具のサブスク・レンタルサービス

手頃な初期費用で利用できるのが、サブスクやレンタルのメリットだが、送料や破損に対する補償内容などはサービスの事業者ごとに異なる。利用時には規約を十分に確認し、仕組みをよく理解したうえでの申し込みをおすすめしたい。

1. CLAS BUSINESS

株式会社クラスが運営する、家具・家電のサブスク。月額440円から利用できる個人向けの「CLAS」に加え、2021年11月には法人向けの「CLAS BUSINESS」をスタートしている。

どちらも1点からオンラインで申し込める仕組みで、3カ月以上の使用で返却・交換手数料が不要となるため、気軽に利用できる。法人プランの場合は1カ月以上の契約が必要で、家具の選定やレイアウトをプロに依頼することも可能だ。

画像は株式会社クラスのWebサイトより

同社は、家具を持たない・捨てないサービスの提供を通じて、サステナブルな「ものを捨てない社会づくり」を目指しているという。商品が不要になったら返却・交換が可能で、ユーザーから返却された家具や家電は修繕やクリーニングを経て、ほかのユーザーへ届けられる。また、オリジナル家具は素材やパーツ、配送時の梱包材まで、環境に配慮されたものになっている。

2. ASKUL

オフィス用品の通信販売を手掛けるアスクル株式会社では、2020年12月よりBtoB向け通販サービスサイトの「ASKUL」上で、オフィス家具をレンタルできるサービスを提供している。対象商品は、イトーキやオカムラ、コクヨなどの有名メーカーのチェアとデスクで、1点から申し込みが可能だ。

画像はアスクル株式会社のWebサイトより

送料の負担はなく、基本的に必要なのは月額の利用料金のみ。最低利用期間は6カ月だが、1年間継続して使用すると追加料金なしで商品を貰い受けることができる。また、オフィス利用だけではなく、従業員宅への個別配送にも対応している。

3. Kaggレンタル

47インキュベーション株式会社では、オフィス家具の通販サイト「Kagg.jp」で販売中のチェアを貸し出す、「kaggレンタル」を運営している。Kaggレンタルでは1点から月額利用が可能だ。

画像は47インキュベーション株式会社のWebサイトより

利用時の送料は無料で、初期投資は1カ月の月額料金のみ。一部を除いて最低利用期間は設けられておらず、不要になったらいつでも返却できる手軽さも魅力だ。また、2年間継続利用した商品は、無償で譲り受けられる仕組みになっている。

定番商品を中心にシリーズやカラーバリエーションを充実させ、400点以上にも及ぶオフィスチェアをラインアップ。配送エリアも首都圏から日本全国(メーカー直送対応が可能な地域に限る)へと拡大している。

4. subsclife

株式会社ソーシャルインテリアが運営する「subsclife(サブスクライフ)」では、新品の家具や家電を月額払いで利用できる。「KARIMOKU」や「ACME Furniture」などの人気ブランド家具、オリジナルデザインの家具が中心だが、「Herman Miller」や「Ergohuman」などデザイン性の高いオフィス家具も取り揃えている。

画像は株式会社ソーシャルインテリアのWebサイトより

月額500円から利用でき、期間は3カ月~24カ月で、利用後は返却か継続利用、もしくは購入のいずれかを選択する仕組みだ。支払いの総額は、商品の定価を超えることがないように設計されている。

subsclifeは個人向けのサービスだが、ソーシャルインテリアでは、オフィス家具のほかフォンブースや集中ブースなども扱う、法人向けのサブスクも展開している。法人契約の場合、利用期間は12カ月もしくは24カ月のみ。利用料金の総額が定価を超えない点と、契約期間終了後に返却・継続利用・購入のいずれかを選べる点はsubsclifeと同様だ。

オフィス家具のサブスク・レンタルは、空間の有効活用にもつながる

働き方が多様化するなか、オフィスが適切な広さになるように再構築する動きも見られる。条件を満たせば好きなタイミングで解約でき、購入のコストや処分の手間を削減できるオフィス家具のサブスクやレンタルは、オフィススペースの有効活用にもつながるだろう。

時代の変化に柔軟に対応できる企業であるためには、時代の潮流にのることも肝要だ。オフィス家具についても購入だけではなく、状況に合わせてレンタル・サブスクと様々な選択肢を検討してみるのはいかがだろうか。

この記事を書いた人:Noriko Yamamoto